ある企業の研修 4
彼は、ひと組ずつ、彼ら夫婦を自宅に呼びました。
覚悟を決めたあとの彼は、自分でも意外なほどさばさばしていました。
もはや、何とかうまくやってやろうというのではありません。
人間として人間に対するのです。
そこには、結果に囚われることのない、素朴な真剣さだけが残っていました。
一方の4人も、すでにすがすがしい心境になっていました。
山での8日間は地獄でした。
家には帰れません。
女房や子どもの顔が目に浮かびます。
会社にも帰れないでしょう。
いままで部下に偉そうなことを言ってきましたが、もう部下の前に立つわけにはいかないのです。
いまさら研修に戻るわけにもいきません。